※下記は全てニコン用の設定です
ちょっとマニアックな使い方というか
わざわざこんな使い方する人は少ないのかもしれないけど
ネットで検索してみてもヒットしなかったことがあったので
一応、書いておくことにしました
ストロボを発光させずにV860IIIのモデリングライトをAF補助光の代わりとして使えるのか
答え:
基本的にはできません。
カメラ側でストロボを発光させない設定にしてストロボ側は電源ONにしてモデリングライトを発光させることはできますが、シャッターを押してもモデリングライトは点灯したままなのでAF補助光としては不向きです
しかし、裏技的にAF補助光として使うことは可能です。
その方法を書いておきます
まず大前提として
モデリングライトを発光させる設定にしたうえで、シャッターを押した時にV860IIIのモデリングライトが消える設定にしておいてください
次に
カメラ側のストロボ発光はON設定にします
V860IIIを『マスターユニット』モードにします(『マスターユニット』モードとは、カメラのホットシューに乗っているV860IIIをXproのようなフラッシュトリガーとして使う機能です)
そして
「M」(つまりカメラの上に乗ってるV860III)の設定を『- -』(発光しない)にして
A、B、CのいずれかをTTLやマニュアルで発光させるモードにします
そうすると
モデリングライトは常時発光しているので暗いところでもオートフォーカスが合いやすくなりますが
シャッターを押すとモデリングライトが消えるので
AF補助光として使えます
この設定は暗いところでのピント合わせにかなり有効です
が
欠点もあります
まず
カメラ側でストロボ発光をONにするので
ミラーレスカメラのファインダーで現在の設定による露出が解らなくなります(Nikonだけ?)
例えば
絞りF1.8、 シャッター速度1/200秒 ISO100
の設定だったとすると
それがどんな明るさなのかミラーレスカメラのファインダーにリアルタイム反映されていると思いますが
ストロボ発光をONに設定するとファインダーの露出設定の反映が破棄され
露出設定とは無関係の見やすい明るさに変わると思います
なので
この裏技を使うときは
事前に露出の設定をした後
ストロボ発光をONにするという工夫が必要になります
もう1つの欠点として
連写が事実上使えなくなります
まず
カメラを高速連写に設定するとストロボ発光をONにすることができません
1秒間に5回くらいの連写設定にするとストロボ発光をONにすることはできますが
モデリングライトの発光が間に合わず連写中はモデリングライトは発光しません
なので
2枚目以降はAF-C設定であっても暗すぎてピントがずれる可能性があります
さらにもう1つの欠点として
オート露出の機能は使えなくなります
カメラ側のストロボ発光をONにしたらISOを100に固定されたりシャッタースピードを1/60秒にされたり、ストロボ発光はさせないのにストロボ発光をONにしていることの弊害がでてしいます
なので
上記に書いてあるように
この裏技を使う前にマニュアルで露出を決めた後に、この裏技を使うようにする必要があります
ここまでの説明をふまえた上で
実戦ではどのように使うのか?の解説をしますと
- V860IIIは上に書いたように『マスターユニット』モードにする
- カメラ側のストロボ設定は発光の設定にする
その状態でV860IIIの電源をOFFにすれば
ファインダーや画像モニターのライブビューに撮影設定が反映されます
この状態で露出等を決めれば良いですね(露出モードはマニュアル、ISOもマニュアル設定)
そして
モデリングライト(AF補助光)のみが必要な時はV860IIIの電源をONにすればOK
V860IIIの電源をOFFにすればまた、ファインダーや画像モニターのライブビューに撮影設定が反映されます
モデリングライト(AF補助光)だけではなくストロボ撮影もする、という時は
V860IIIの電源をONにして「ワイヤレスボタン」を押してクリップオンストロボとして使うモードにすればOK
ここら辺の設定を上手く応用していけば
- V860IIIを全く使わないのか
- V860IIIをAF補助光として使うのか
- V860IIIをストロボとして使うのか
の切り替えが簡単になると思います
V860IIIを『マスターユニット』モードにしてストロボ発光させずに、ワイヤレス接続した他のストロボを光らせる設定にしてシャッターを押した時に『マスターユニット』モードのV860IIIのモデリングライトが消えるか
答え:
ちゃんと消えます
これにどんな意味が有るか、という話ですが
俗にいう「オフカメラライティング」をやろうとした時
ワイヤレス接続されたストロボがモデリングライト機能を持っていない場合
スタジオを真っ暗にしたりするとピントが合わない
とかの問題を
V860IIIのモデリングライトを発光させることで解決する
という話です
カメラにワイヤレスフラッシュトリガーを乗せてV860IIIをオフカメラのライトにすればよいじゃん?
という考えもありますが
そうすると
V860IIIに装着するアタッチメント、例えばソフトボックスとかだとV860IIIのモデリングライトは構造上無意味になってしまいます
モデリングライト機能のあるモノブロック等を使えば良い話ではありますが
もし
モノブロックが使えず、ミラーレスカメラゆえにワイヤレスフラッシュトリガーのAF補助光も使えず
でもスタジオ内は真っ暗にして撮影したい
という場合の対応策になるかな、と
『スレーブユニット』モードのV860IIIをXpro2等でストロボは発光しないけどモデリングライトは点灯させる設定でシャッターを押したらモデリングライトは消えるのか
答え:
ちゃんと消えます
これは
V860IIIをAF補助光としてだけ使ってライティングには使わない、という設定です
これにどんな意味があるのか
V860IIIのモデリングライトはとてもまぶしく
だからと言って暗くしたらAFが迷ってしまう
という場合に
AF補助光がわりのV860IIIを、被写体がまぶしくないと思う位置に動かすという意味があります
V860IIIのモデリングライトの構造上
ソフトボックス等を付けるとモデリングライトの光が遮断されてしまうため
V860IIIをAF補助光としてだけ使う、ということです
こんなことするくらいだったら
発光面に高出力のモデリングライトがあるモノブロックを使った方が良いですけどね(笑)
V860IIIを『マスターユニット』モードにしてTCM機能は使えるのか
答え:
使えません
Xpro2のように使えたら良いですが、しかたないですね
V860IIIのTCM機能は
V860IIIをカメラのホットシューの上に乗せ、単独で使う場合に有効になる
と思ってください
オフカメラライティングでTCM機能を使いたい場合は
Xpro2などのTCM機能が付いたフラッシュトリガーを使ってください
以上
ほぼ必要とされてないマニアックな設定についてのお話でした
主に
V860IIIのモデリングライトをAF補助光がわりに使おうという内容でしたが
ホンモノのAF補助光のようにオートフォーカス中にのみ点灯
とは違い
常時点灯(シャッターを押した瞬間のみ消灯)なので
被写体が人間だった場合
V860IIIのモデリングライトは相当にまぶしい可能性があり
出力を抑える等、適切な工夫が必要になってきますね(モデリングライト用のディフューザーになりそうなものが有ればなー、と探しております)
ただ
明るすぎるというのは必要に応じて暗くできるということで
暗くてAF補助光として使えない、よりもありがたい機能です
モデリングライトの機能だけでも
GODOX V860III 買って良かったと思います
※このモデリングライト、キャッチライトとして使えないか、も考え中です
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